過渡期の産物?

iaw_mania2009-12-12

機械ものの進化の過程では、しばしば旧テクノロジーと新テクノロジーが過渡的な融合を見せることがあるわけで、丁度、現在のハイブリッドカーみたいな感じ。
珍しいディーノ246GTの時計です。
Veglia Boretti製で電気式。
DINO246自体が1970年前後の生産でありますから、クオーツ時計が世の中に出るか出ないかの時期です。

ディーノ246

現在では、実用性、正確性、コストの面で圧倒的にクオーツが多く、機械式は一部の趣味性の高い高級腕時計に限られる状態ですが、1970当時とあっては、車載時計にクオーツを採用するには至っていなかったのでしょう。
しかし、腕時計と違い、手巻きや自動巻といった方法でゼンマイを巻くわけにはいかず、電気式(トランジスタ式)を採用したといったところでしょうか。

修理にあたっても、なかなか資料が少なく苦労しました。

テンプの動きをピックアップコイルで検出し、この信号で、駆動コイルをスイッチングして、テンプを駆動することで、動き続ける仕組みです。

なので、テンプ以後の構造は機械式時計そのもので、脱進機のつる巻きバネとガンギ車が時を刻みます。